つぶやき@てがろぐ

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2022/1/19 ヴェラキッカ1/18配信分視聴

観てしまったよヴェラキッカを…………何から話せばいいんだろう……いやすごかった……歌が上手かった…………あの音圧生で聴きたかったな…………。 血が流れないのTRUMPシリーズ、初では…………(でも人が死なないのは引き続きCOCOON月の翳りだけだったね)

 
HPで末満氏が語っていた「人間愛喜劇」という単語を脳内で反芻しているところです。

ノラ、出てくる度に衣装も変われば髪型も髪色も変わっていて最初のうちはお着替え好きな人なのかなってレベルだったがだんだんまるで幻想を見ているみたいだなと思って見てしまっていてまさか本当に幻想だとは思わなかった…………。

脅威のお着替え率だよ…………すごいよ…………いつ着替えてんの……カーテンコールでさえ違う姿のノラが出てきた時もう夜中なのに叫んじゃったよ…………。

シオンが作り出した幻想ノラは喋り方こそ同じだが終ぞ彼女の姿を知らなかったから毎回違う姿のノラが出てくるんだな………そっか…………。そっかぁ……………………。

ノラが歌ってうきうき踊ってる中ひとり影の方で本をぺらぺらとめくってるシオン、ノラを愛している割に他と比べてだいぶ淡白だなと思ったが見えてないし聴こえてないならああなるよな……と思い返してのたうち回るなどしました。

誰よりもノラに会いたかったのは愛し愛されたかったのは他でもないシオンだろうに、共同幻想で生み出したノラがシオンには一切知覚できないの皮肉にも程がある…………。

キャンディがノラに感じていた孤独は、そのままシオンが感じていた孤独だったのかもしれない。

思い返せば、カイの「私はノラを愛していない」は存在を知らないのだから愛していなくて当たり前だし、クレイとマギーがノラの良いところなら私たちに聞いて! って自信満々に言っていたのに「カッコいいところ」しか言えないのも、シオン含め誰もノラについて詳しく知らないからなんだろうなと思った。

 
歌がパワフルかつコミカルで全体的に元気いっぱい! って感じで楽しかった。 幕間入る直前の歌はすごすぎて鳥肌が立ったというかしばらく放心してしまった…………休憩があって助かった…………。

最後のキャンディの歌の時に養子たちが周りで小さくハミングしてるじゃないですか…………めちゃくちゃ良かった…………そしてサビ(?)で音が弾けるあの歌永遠に聴いていたい……………いや本当に音が良かった…………。画面越しにそうなんだから現地で聴いたら腰抜かしそうだな…………。

なんで人間の記憶は音からなくなるかな……永遠に聴いていたいよ…………。

現地に行けないのがこれほど悔やまれることはないのではやくなんの気兼ねもなく自由にどこにでも行けるようになりたいな…………。

 
存在しないものを愛する心は真実か、 イニシアチブで芽生えた愛は偽りなのか、 シオンにイニシアチブを取られた人々がそう自分たちに問いかけるのを見ているその一方で、姿形も知らない、鉄の扉越しにしか話したことのない少女をずっと想うシオンの恋心も、言い換えれば「存在しないものを愛する心」と同じなのではないかなと、思うなどした。

ところで、平安の頃の恋愛にある、女は部屋の奥に奥にいるので会ったこともないのに男は名前を聞いただけで恋焦がれて歌を詠み一目逢えないかとやきもきしてたり、女も女で受け取った歌だけを詠んでその男に恋焦がれていたりするという話を聞いたことがあるんだけども、なんだか急に思い出してしまったな。 あれもあれで「存在しないものを愛する」に近いものを感じている。その人自身を愛しているかどうかとはまた別の話な気がするので。 初夜まで会ったこともない人間にずっと恋してるんだもんな……。

 
閑話休題。

ロビンに対して「君が私を愛していると、君はどう証明するのか」「言葉だけで愛を囁くなんて簡単だ」とロビンを試すように言っていたノラ、あのノラ自身も愛し方が分からなかったんだなと、今思えばそんな感じに思える。

愛ってめちゃくちゃ広義だな……。

世間的には8つに分けられる愛とシオンが語っていたがそもそも定義づけ出来るものではない気がするな……人によって形も感触も変わるし他人の目には愛と感じられなくても確かに愛であることもあるし……。

むずかしいな…………愛ってどこにあるんだろうな……。

 
無意識下で地獄を求めているのか今までの地獄に慣れてしまったからか、ずっとノラへの愛が偽りだったことに気づいた彼らが発狂して阿鼻叫喚地獄になるんじゃないかと今か今かと怯えていたんだけども全然そんなことはなかった。

徹頭徹尾愛の話だったし、彼らには共同幻想を経て確かに「ノラを愛していた」という事実だけが残り、皆それをあたたかく柔らかい気持ちとして受け入れて幻想ノラを肯定していてすごい……なんだろう……こんな優しい終わりがあるんだなと思った。

(「優しい嘘」も確かな「愛」なので)

他人から見たら狂気に見えても当人たちがハッピーならそれはまごうことなきハッピーエンドだよ派としては、今回のヴェラキッカ、堂々のハッピーエンドなんですけど…………。

本物のノラが実際どう思っていたか、どんな思いを抱きながら亡くなったのかはもう誰も知る由もないが、少なくともノラと同じくらい孤独の中にいたシオンは救われたんだろうなと思ったので…………。本物のノラがシオンに本当に会いたがっているかどうかは知らないがそれも含め幻想ノラは確かにシオンを求めていたしそうでなくてもイニシアチブでわざわざ「ノラがお前に会いたがっている」と言ったのはカイのシオンへの愛なんだろうなとぐるぐると考えていた。

いやでもあの流れでシオンのこと噛むんかい……私てっきりみんなで本物のノラの墓参りしに行くんだと思ってたのに…………(吸血種はもう容易く他人にイニシアチブを握らせるな)

 
キャンディがヴェラキッカ家を訪れたのが、ちょうど幻想のノラが愛された分人を愛せるかもしれないと行動に移そうとした時で、さらにシオンが罪悪感で潰れかけていた時だったのが、彼女に登場人物であり傍観者である役目を与えたのかなと思った。

彼女が最後に一歩離れたところから色褪せたアルバムを指でなぞるようにシオンとノラの行く末を見届けているような終わり方が良かった。

(ちょっと黑世界のリリーを思い出した)

 
途中から感情がしんどいというか涙と鼻水がやばくてそれどころではなかったのでなんとかして土曜日の配信もチャレンジしたい……アーカイブで…………最低でも2回観ないと冷静に物語を受け止められないんだ…………。

時系列どのあたりの話だっけ……(急にデリコの名前出すからいろいろ吹っ飛んでしまった…………)

でもこの話観られて良かったな。 ありがとうございました。畳む

#TRUMPシリーズ
#感想
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2021/12/1 魔道祖師4巻まで(小冊子以外)読み終わった感想

キリのいいところでやめようと言い聞かせながらもどこで区切ればいいのか全然わからないまま数日で駆け抜けて手に汗握りつつ本編を読み終わりました。番外編がまだちょっと残ってるけど一区切りついたからひとまず感想を書かせて欲しい。

こんなに全力疾走しなくてもよかったんじゃない?とは思ったがあまりにも登場人物が多すぎて(&背景が複雑すぎて)これは間を開けると誰が誰だかわからなくなるぞ……という危機感に迫られたともいう。 あとめちゃくちゃ展開が気になって割と諸々が手につかなかったので早く楽になりたかった…………。

 
めちゃめちゃ面白かった…………。

序盤でばら撒いた伏線全部綺麗に拾ってくれたのすごく良かった…………。事件の謎も色恋の進展も全部綺麗に回収していった…………。 生前と今世を反復横跳びしてるから頭がこんがらがったりもしたが徐々に謎の行動の理由がわかったりどうしてあんな態度を取ったか分かったりするともう誰のことも憎めなくなるな…………。彼らひとりひとりの生き様を見届けた…………。あの中の登場人物がみんなまるで生きていたかのような錯覚を覚えるほどにみんな生きてた…………メインに関わらずひとりひとりの背景描写が本当にすごいな…………。長編ドラマを観終わったような満足感がある……。

ジャンルからして少し苦手なタイプかしらと思って気になりつつもなかなか手に取るタイミングを先延ばしにし続けていたが思い切って読んでみてよかった。アニメもやってたんだなとはなんとなく察してはいるがそちらはまだ怖くて観てない……でもせっかくだから何かしらの機会に観られるといいな。

なんだろう、なんかこう、ここまで宇多田ヒカルの『光』が似合うふたりがいるとは思わず……。

 
ところで途中で嵐のように私の性癖ど真ん中貫いていったキャラは瀕死の重傷を負ったまま死体になる前に連れていかれたのでもしや億が一くらいで再登場するのかなと思っていたが特にそんなことはなくちゃんと死んだようです。ちゃんと死ねてよかったね。 ひょんなことからこの作品に触れる機会があったらこういうやつが好きなのか……と思いながらでも見てほしい。

こういうやつが好きです。

そいつの名前、薛洋って言うんですけど……。

 
そして己があまりにもそれらに耐性がなくて番外編のあまりのいちゃつきぶりにびっくりしちゃった…………そうだね、いろいろあったがめでたく両想いだもんね…………。びっくりしちゃった…………あまりの壮大さに本のジャンルについてついつい失念しがちで単純に心の準備が間に合わないだけなのでこれはただの自業自得。

いやでもびっくりするよ……。

番外編、めっちゃ砂吐く勢いのハッピーな後日譚3つの間に急に血生臭い前日譚挟まないでくれないかな…………そういう話すごく刺さるから…………。

(今は小冊子の方の番外集読むかキリがいいからラジオ聴きにいくかどうするかってなってるところ)畳む

#魔道祖師
#感想
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2021/11/26 魔道祖師1巻まで感想

たまには冒険してみるものだなと。

ジャンルの括りがBLだったし媒体が小説だったのもあり『商業小説に年齢制限という概念はないから突然濡れ場が始まってしまったらどうしよう』と若干の不安も抱えつつ読み始めたけども帯で『圧倒的スケール』と謳っているだけあってめちゃくちゃ世界観が壮大で、主人公と一緒に冒険してる気持ちになりながら読む手が止まらなくなりあっという間に1冊読み終わってしまった(めちゃくちゃ面白い)

王道ファンタジーものって言われながら渡されてもまだ信じられる(でも2巻以降どうなるかまだ何もわからないので怖い)

しかしスケールがでかい分登場人物も地名も多く(しかも血族でまとまって登場するので語感が大体似ている)登場人物の名前とかまだしっかり覚えてないですね……展開重視で読んでたから…………(読みで覚えているので読んでる時は誰が誰を指してるのか分かったがいざ書き起こすとなると文字で覚えてなくて書けないという)

あとBL的目線で読むとおそらく13年片思いしてるんだろうなという口下手真面目一辺倒な男の挙動がいちいち面白いですね(状況証拠をあれだけ発見されておきながら尚何も彼が何を思っているのかすら思い当たらない意中の相手の心境を読みながら)

いや、普通に冒険譚としてすごく面白いな…………映画館で圧倒的スケールと音響で観たいくらい…………。

普通に続きが気になるので残りの巻も集めます。畳む

#魔道祖師
#感想
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2021/10/29 劇団『ドラマティカ』ACT1/西遊記悠久奇譚/配信2回目を見ながら


あて書きをしつつわざと本来の性格と真逆に描いた部分もあるのだろうなということがうかがえるキャラ設定なのが楽しいな。ベースはやっぱりあんさんぶるスターズなんだな……。

(ストのままの選抜理由ならあえて逆の役を抜擢したとも言う)

どうせやるなら個を消して役に徹して欲しかった気持ちもないとはいわないがそれならばそもそもドラマティカである必要はないのだから、ドラマティカの脚本だからこそできるあの舞台になるのか……。

ドラマティカでありあんさんぶるスターズ…………。

でもあんすたくん知らなくても楽しめる脚本だから楽しいな。 カフェシナモンといい、現実とのリンクが巧妙すぎる……。

 
「迷える衆生導く為、旅立ちましょう」と言う言葉に対して 「迷うのは弱さだ。俺には関係のない話だ」と答える悟空に、一拍置いてから 「……そうでしょうか」って噛み締めながら呟く三蔵から既に何百回も同じこと繰り返してることを滲み出しているのがな……序盤から悟空との温度差〜……。

先に進みたくなくて何度も繰り返す三蔵も迷える衆生のひとりであり、だから悟空のあの言葉がぐっさり刺さってるのか……なるほど。

2回目観てセリフの意味が分かったけど、三蔵たちが天竺行くにはどうするかといえば「俗なる身を捨てる」であり、肉の檻こと肉体が俗なる身ならば死んで魂だけとなりお釈迦様のところに行く、ということなんだろうな……。

そうなると最後の渡らなくてはならない川は三途の川みたいなものなのかな……。

ありがたい教典をもらいに行く話だと思ったけど魂だけになってお釈迦様に会えたとしてどうやって教典持って帰るんだろうな……。

菩薩様にでもなるのかな……。

一度最後の川を渡ろうとして失敗したのか、それとも全然関係ないところで死んでしまったのか、俗なる身を捨てるところまでは天竺行く気満々だったけどいざ川を渡るぞって時に怖くなったのかはわからないが……三蔵にとっては旅の終わりは川の手前で、この先は「ない」んだな。 そう思いながら序盤で仲間になるときにそれぞれに聞いた「自由を手に入れたい」「天にかえりたい」「人間に戻りたい」「完璧な己に戻りたい」を「できますよ!」って言ってた心境とは…………。

 
悟空の封印を解く際に唱えたお経がたしかおそらく般若経(般若心経?)だと思ったが、その三蔵が説くのは空(シューニャ)だと思うが、実際の彼は愛と夢と絆と希望を説く僧であり、彼が一等大切にしたい愛(仲間に対する愛着、旅の終わりで離れがたく思う気持ちなど)はおそらくお釈迦様に会う為には捨てなくてはならない煩悩のひとつであり……。

それをどうしても捨てたくなかった三蔵が、「時よ止まれ」という心境で永遠に楽しい旅を続けているんだな……。

何故繰り返す為に仲間を殺さなくてはならないのかの問いに 「仲間を失ったという絶望を抱えて、またあなたたちと出会い、愛と希望を得るのです。あなたたちと過ごす時間が増えるほど、あなたたちへの愛は増すばかり』」という答えを返す三蔵、どこからどう見てもどんどん空からは離れていくんだよな……。

 
旅の終わり=天竺へ至る旅の失敗=仲間の死

 
だから仲間を倒す、という感じかな……。

そこに「前がどうだったかなんて知らない」「でもこの気持ちを全部なかったことになんてしたくない」「未知は怖いかもしれない。でもあんたと一緒に未来へ行きたいよ」と言ってくれた仲間に一縷の希望を持っているからこその序盤の「会いたかったですよ、悟空」に繋がるのではないのかな……と思いながら眺めていた。

自ら出口のない迷路に迷い込んでいる三蔵に手が届くまで、彼らは何度でも気持ちをぶつけ、手を伸ばし続けるのだろうな……。

思ったより三蔵法師が日々樹渉すぎてびっくりしたけど…………やっぱり配役決めてから脚本の内容詰めましたよね…………。

舞台上の話ではあるが概念日々樹を概念北斗が助けようと手を伸ばす図、なんだろうな、じんわりとするな…………。

 
ところでここ数日、なんで終盤悟空たちが「このまま僕たちが死んだら師匠くんの思い通りになってしまう」「ならせめて全部まとめて消し去る!」の思考に辿り着いたのかずっと考えてたんですけど、

 

だって

このままじゃ俺たち死んじゃうかも→ならまとめて全員で爆死する!

って初見で聞いた時どうしてその思考に至ったのかちょっとよくわからなくて「どうして?」がすごかったんですよ(なんでそんなあっさり命捨てる覚悟決められるの?……みたいな…………いや全然あっさりしてないし割とみんな死にかけなんだけど……それにしてもどうして…………みたいな……)

 

今回大千秋楽の声に詰まって歌えなくなる悟空を観ながら、もしかしたら三蔵に追い詰められた悟空たちは自分たちが「三蔵の手によって(又は三蔵に操られた玉龍の手によって)死ぬ」ことで三蔵がまた仲間を失う悲しみと絶望を味わうくらいならばせめて「三蔵諸共爆発に巻き込んで死ぬ」ことによって「仲間を失う悲しみ」を回避させようとしたのかな……っていう気持ちになりました。

それにしても三蔵を悲しみから救うためとはいえみんな一致団結で命捨てる覚悟できるのか…………誰か一人でも死ぬのは嫌だって言ったら不可能な作戦だもんな…………そうか…………それだけ三蔵は大切な存在になってるんだよな…………(悟空が出会いの時に胸がざわざわするようにこれは何度も繰り返したからこそ至る結論なのかなみたいな気持ちにもなりつつある)

それが、悟空たちが人ならざるものだからこその価値観から導き出されたものであるのか、あるいは唯一の人間である三蔵と時を共にしたから至ったのは、わからないけれども…………。

 
悟空を封印から解いた後に言う

「悟空、会えるのを楽しみにしていましたよ」

はもはや三蔵にとっては祈りの言葉なんだろうな…………。

 
原作、思ったより超大作すぎて翻訳版読もうと思ってたけど逆に途方に暮れてしまった……というか本屋に置いてない…………本屋は売れ筋戦国時代だからな……困った…………。

図書館……図書館か…………。 次の休みに図書館に行きます……。畳む

#あんさんぶるスターズ
#感想
#ドラマティカ
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2021/10/28 はじめての繭期2021第八夜:『黑世界』 日和の章

はじめての繭期にも終わりは訪れる……寂しいが楽しかったな…………。


 
8夜連続毎日みんなでわいわいしながら観るの楽しかったな…………。

(※みんなでわいわい=同じ時間・物語を共有しひとり壁に向かってうめき続けている声を聞いてもらったり人々の感想読んだりしたことを指す)

 

ということで毎晩地獄の観劇8本ノック最後のつらつら感想です。

 

 

(厳密に言えば途中でLILIUMも観てたのでTRUMP関連つらつら感想は9個あげたことになるのか…………めっちゃ観たな…………)

 

雨下より後の世界の日和では、LILIUMでの出来事がより鮮明になってて「罪」としてリリーに刻まれてしまうのだな…………。竜胆と紫蘭の幻覚、チェリーとおなじく幻覚の中にしかいない女の子たちなんだけどLILIUM観た後だとなるほどなとなる……。

かつてリリーがソフィに向けて言った言葉が、ソフィと同じ立場になり数百年彷徨ううちに呪いとなって今度は己自身に降りかかってくるのか……。

雨下は優しい物語が多かったけど、日和はあたたかい物語、という印象。罪と赦し……。

 
・第1話『家族ごっこ』

朴璐美さんの5歳児と10歳児のインパクトがものすごかった…………(初見時はそれに全部持っていかれた)

5年もあの家族と一緒に居たんだよな…………。リリー、ひとつの場所に留まる時間がどんどん長くなっていく。

ラッカの幼子特有の純粋ゆえに残酷なお願い「いなくならないでね」「ずっと手を握っていてね」とか、守る為とはいえ不死であることがバレてしまい家族のように過ごしたノクから「バケモノ」と呼ばれてしまうのがしんどいなあ……。

ソーシャルディスタンス朗読劇なので、噛む時も人ではなくてトルソーに次々襲いかかる演出が好き。

 
・第2話『青い薔薇の教会』

この話めちゃくちゃ好きで…………。 罰を与えられて救われたい(許されたい)吸血種モスカータと彼を許したい人間種ブルボン、許していないだろうかつてのクランの仲間たちともはや誰にも許されることのない罪を背負うリリー、対比のように描かれていて…………罪とは、赦しとは、ぐるぐる回る……。

ブルボンの「私があなたを心から許そうと思えるその日まで私のそばにいろ」「罰を与えないことこそが罰」は、復讐に身を任せ彼を殺したいほどに憎んでいるブルボンの中にある「罪を罰しない」という信仰に従う理性というよりは、もはや祈りに近かったのかもしれない。

妹が大事にしていた庭の青い薔薇をもう一度咲かせろと命じられたブルボンが、ひたすらに花の世話をし続けている様子を二人で歌うあの歌が好きだ。

「当事者である私が彼を『許す』と言っているのに、なぜ関係のないあなたたちが彼を『許さない』と言うのだろう」「彼があなたたちに一体何をしたというのか。彼はただ、青い薔薇を咲かせただけだ」あの神父の言葉でもうめちゃくちゃになる……。

青い薔薇を咲かせた妹の仇を許す為、モスカータに生きろと言うブルボンが、去り際のリリーに「不可能と言われた青い薔薇が咲いたように、あなたの罪も、いつかあなたが許せる日が来るように」と言って青い薔薇を渡すシーンがあたたかい祈りのようで好きだ。

青い薔薇の花言葉が「不可能」から「夢かなう」となったように、いつかリリーが己を許せる日が来るように。その手が死に届くように。

 
・第3話『静かな村の賑やかなふたり』

声量がぶちやべえんだよな…………。

日和のトンチキ枠……吸血種おそろしい! だけで何かが始まることもなく終わるマジでなんだったんだろうの枠…………。ちょっと前の話で人間の村に紛れ込んだ吸血種の話をやったばっかなんだよな……この世界めちゃくちゃ平和だな…………。マントの裏地の方が派手な色してるの本当になんだろうね…………。

ソーシャルディスタンスキスとかいう新しい何かが生まれた瞬間……。 あまりにも突飛というか現実とかけ離れすぎててリリーが「私はもっと聴いていたいわ」ってだんだんノリノリになっていくのがかわいいね……。

 
・第4話『血の記憶』

ラッカ〜……。ノク…………。

親が元血盟議会の議員であれど、絶対階級社会な吸血種の世界で貴族ではない者が血盟議会に入りさらにヴラド機関にスカウトされるの、めちゃくちゃ大変そうなんだよな…………。めちゃくちゃ頑張ったんだな…………。リリーにもう一度会いたいが為に努力したんだな…………。

ところであの謎ラッパーのヴァンパイアハンター……なんだったんだろうな…………(言動がいちいちアレだけど殺せないなら生き埋めにして永遠に岩の下で生き続ければいいという発想はこう……わかる…………)(他作品で申し訳ないが『バッカーノ!』で図らずも不老不死となったとあるキャラを粛清するときにとあるマフィアがドラム缶にバラバラにしたそいつとコンクリを詰めて海に沈めるっていう封じられ方をされたのをな、思い出してる……やり方がマフィアと一緒〜……)

なかなか身体の再生が出来ずに岩の下でもがいているだろうリリーの描写が地味にキツい…………。

確かにあった大事な思い出も「なかった」ものとして消し去ってしまうこと、リリーもソフィを嫌悪しながら同じことをしてしまうんだな…………。

孤独は永遠を支配する……そうだね……。

 
・第5話『二本の鎖』

この話もすごい好きで……。

イニシアチブという鎖により星に手が届いた話に見せかけて実は星の方が彼に手を伸ばすようにイニシアチブという鎖で縛っていたがんじがらめの両片想いの話…………。

イニシアチブにより相手の意識を操作することを「最低」と罵るリリーにそうだね、最低だよね……と今までのシリーズで同じことしてきたあいつとかそいつとかを思い出していた。そうだよね、お友達は操り人形じゃないものね…………。 互いを罪で縛り付けながらも互いを慈しむように寄り添う二人が果たしてどうなったのかは誰も知らないけど、優しく静かに二人の世界で閉じていくのだろうな…………誰にも邪魔されない完成された世界…………。

この話を観た時は世界の最小人数は二人、という言葉を思い出した。

 
・最終話『百年の孤独』

ぶちやべえ声量で歌われる『少女純潔-黑世界ver-』……LILIUM観た後にそれはよく効く…………永遠の孤独を生きる少女に手向けの歌をありがとうノク…………。

朴璐美さんの演じる幅がすごい。

130歳の老女がそこにいた…………。幼女との反復横跳びがやばすぎる。

タイトルの百年の孤独という言葉は、永遠を生きる少女のことであり、大切な人の記憶を奪われたまま百年を過ごしたラッカのことでもあるのだろうな……。

最後の最後にラッカもノクのこと好きだったってわかるのがしんどいよ……。

「こんなことになるならあなたたちと出会わなければよかった」と嘆くリリーに「出会いこそが全てだ」というノクの言葉が、TRUMPシリーズにおける全ての出会いに対してのアンサーのように思えた。 たらればの世界はどこにもなく、出会ってしまえばそれはなかったことにはならない。 消える間際に「あなたにも覚えておいてほしい」と伝えるノク、永遠を生きる少女にこれからも出会いと別れの悲しみを背負い続けろと伝えているようで残酷であり、でもそれは人々の心に向き合い続け、これからも自身の心を保ち続けていて欲しい祈りでもあるのだろうな…………。

 
リリー、黑世界では出会った人々に恵まれていたこともあるんだろうな(不死とバレても「吸血種おそろしい!」で終わったり「そんなことより」で済まされたりしていて誰も彼女に永遠の命を望むものはいない)……みたいな気持ちで行く先々で神のように扱われたクラウスやソフィに想いを馳せてしまった…………いや、リリーもピックアップされた話がたまたま優しい物語なだけで中にはひどいことされたり最低で最悪な物語もあったのかもしれないけれど…………(逆も然り)

リリーがリリーであるほどにソフィに対しての「どうして……」が深まるの、業が深いんだよな………。

 
舞台や映像作品って、面白いって聞いてもすぐに観られるわけではないし円盤にすぐに手を出せるかといえばそんなことはなく、なかなかに触れるまでのハードルが高いなあとは思っているので、今回みたいに同じ配信を眺めてわいわいするのがとても楽しかったな…………。

好きだなと思ってた作品に誰かが新しく触れてくれたことがうれしい。 オタクはな、人に感想を話したいし人の感想を聞きたいんだ…………(オタクというよりは私個人が)

おかげさまで私自身もハマっていることを認めざるを得ないなと思ったのでお布施としてシリーズ円盤を一通り買いました。元気に繭期です。

ではでは、今まで一緒に楽しんでくれてありがとうございました。

あなたの繭期がこれからも良きものでありますように。畳む

#TRUMPシリーズ
#感想
#はじめての繭期
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2021/10/27 劇団『ドラマティカ』ACT1/西遊記悠久奇譚

観ちゃった…………。 やっぱり急に歌い出す西遊記なんだ…………。


 
今なら観られると思ってディレイ配信で初日公演観てきました。

(この8日間毎日ずっと何かしら観てるな……)

 

 

以下つらつら感想です。

 

 

ミュージカルだと思ってたらひぐらし業卒でした。なにを言っているか理解できないと思うが言ったままのことが起きた。

浅学でお恥ずかしい限りだが西遊記って話の流れはなんとなく知ってるけど物語として読んだことがないのですね…………登場人物の名前も把握してなかった…………あとでちゃんと読もう…………。

情報を知った時、これ歌って踊る西遊記だったらどうしよう……ということを紅月Pに話しかけていた昔の自分を思い出しております。 かつての私へ、踊るのはアンサンブルの皆様がやってくれてたけど歌う西遊記だったよ。

劇中の役を演じるアイドルを演じる役者、みたいなややこしいことになっているので以下では素直に役名で書き分けようと思います。 それにしてもドラマティカの実現自体がめちゃくちゃうれしいな…………あんすたくんで殺陣が見られるとは…………。

北斗が王子様以外の役をこなしているということがまず感慨深い。 そしてたった3人の演劇部ではなくESでの劇団サークルなおかげで人数が増えた分できる劇のレパートリーも増えて演出の幅も広がったんだろうなみたいなこの脚本チョイス。ありがとうございます。今までのあんステだとメイン以外は一切出てこない仕様だったからアンサンブルの方達が舞台に上がってるのが見られてよかった(固有のセリフは喋らないけど……字幕で喋るだなんて誰が想像した?)

 
噂で西遊記悠久奇譚は実質RJR(ズ! のイベスト『公演! 悲喜劇のロミオとジュリエット(2018年4月頃開催)』の劇中劇『ロミオとジュリエットリバーシ』)みたいな呟きうっかり見ちゃってたのでスト再履修しつつ警戒して観てたがなるほどRJR……………。

まさかラスボスが三蔵になると思わないじゃあないですか。

割と序盤から三蔵だけ匂わせがすごいといえばすごかったですが…………。

マーブルマウンテン、めっちゃ連呼してたから思わず調べてしまったが本当に五行山のことマーブルマウンテンって言うんですね……。

三蔵は「この旅が永遠に続けばいいのに」という欲が出て自ら袋小路に迷い込んでて何度も何度も記憶を保持したまま繰り返してるのこれどこの沙都子……。わからない未来が怖いしこの旅が終わり別れるのがつらいので今のあなたたちと永遠に旅を続けていたい……終わりがあるなら始めから何度も繰り返せばいい……気持ちはわかるが繰り返すために仲間を毎回殺してからリセットしてるんですか……そんな感じですよね…………肉体が死んで概念だけで終わらない旅を続ける三蔵…………記憶を保持し続けたまま何も知らない仲間たちと何度も出会い何度も旅をするのは楽しいか……楽しいか…………そうか……。

でもちょっとずつ忘れているけど覚えている悟空になって行って何度も何度も三蔵を救うため天竺へ到着するためにこれからも旅をするんだろうな……。

あと何回繰り返したら三蔵を救えてあの袋小路から抜け出せるのかな…………(今回が爆発全滅エンドで終わったからな…………)

 
悠久奇譚の悠久って何が悠久なのかと言ったら三蔵たちの旅が永遠に始まり続けることを指していたのかな…………。それとも三蔵の悲しみが永遠に続くよってことかな…………。

これ毎回の公演でちょっとずつ誰かの行動が変わっていて結末も変わっていたら発狂しそうなんだけども流石にそれはないかな…………舞台は生物なのでやりかねない気がしているけど…………でもそんなことされてたら全部円盤にしてBOX販売してくれよってなっちゃう…………。何でこんなご時世で気軽に観劇できない時にそんなたのしいことするんですか(やっているとは一言も言ってないし配信組に確かめる術はない)…………配信してくれてありがとうございます。千秋楽配信も観ます。

 
悟空が信頼をし始めてくれてきた時に三蔵が言った「これで悟空を縛る鎖が出来た」って呟くのがな…………。鎖なんかで縛らなくてもあの仲間たちはきっとお前のことみんな大好きだよ…………。

悟浄のラッパー、カッパと掛けてたのか……迷走感がすごかったけどカッパたちに慕われているあの小物感とボス感、よかった。 あとあの武器、半分に出来るんだね……そういうギミックよかった。

あと金角も演じていたのすごかったな……金角の容赦ない剣戟、いちばん迫力があった。 銀角もだけど早着替えめちゃくちゃ大変そう……。 あと部下役のアンサンブルの方達も迫力がすごかったな…………。セリフがないのが惜しいくらい…………。

悟空とずっとにいたいので繰り返す三蔵と一緒にいたいけど毎回この気持ちを忘れたくないし一緒だからこそその先の未知へ進みたい悟空…………。

ねえやっぱりこれ業卒の沙都子と梨花じゃない??(概念の話を始めるな)畳む

#あんさんぶるスターズ
#感想
#ドラマティカ
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2021/10/27 はじめての繭期2021第七夜:『黑世界』 雨下の章

明けない夜のような静かな世界だった(3話から目をそらしながら)

 
悲劇や喜劇のような劇的な物語はそこにはなく、ただただ雨が上がるのを待つように静かに死と向き合い生を見つめるリリーの物語が優しくて好きだ。 (雷山とかいうただただやばいやつはいたけど)

 

ということでつらつら感想です。

 

LILIUMを観たら何か印象変わるかなと思いながらの久々の観劇、何が変わったかといえば序盤からボロボロ泣いていたことです。

 

ソフィが辿る道(『LILIUM』とか『マリーゴールド』)でのアレとかソレとか(アレとかソレとか)を目の当たりにしてきた当事者リリーがソフィと真逆の道を行くのがとても印象的だった……死に救いを求めるが元凶のソフィを探すわけでもなくあてもなくただ彷徨い続けるリリーと幻覚のチェリーの不思議な二人旅……。 チェリーがリリーの代わりに喜んだり怒ったり呆れたりしてくれるので、彼女はひとりだけど孤独ではないんだな……その理由が永遠に繭期だからという最大の皮肉はさておき。

宿屋に入れないとなると他人の家に不法侵入して寝たり他人の敷地の納屋に不法侵入して寝たりするリリー……肝が据わってますね(この長い旅路、野宿がデフォなのかなって心配になるレベル)

 
・第1話『イデアの闖入者』

音楽朗読劇なので登場人物全てが本を携えているのがとても印象的なのだがこの、序盤で幻覚が父を語ること、母を語ることを「では私が」と名乗り出る演出、好きなんだよな……。 ここでスノウのことを話すのに詰まってるの、巡り巡ってシュカが「家族は?」「友達は?」「クランは?」って聞いてきたりスノウフレークの花を見せてくれて友達のことを思い出して泣いたりした出来事になぞらえてるんだな……。 シュカは守護者ではなく傍観者……。

 

・第2話『ついでいくもの、こえていくもの』

シダーの「頑丈に作った石橋も100年経ったら壊れているかもしれない(だから永遠なんてない)」「でもこの世にもし永遠があるとするならば、それは人から人へと受け継ぐ心だ」が何回聴いても好きです。

(それを彼は永遠の少女の前で歌うんですよ)

セリフうろ覚えなのでニュアンスで喋っててすまない。

えっそれってダミアンコピーと同じじゃない?

 ダミアンコピーはどこまでもダミアンコピー+イニシアチブでコピーを受け継いだ者の人格だけど人から人へと繋がる想いは繋がれば繋がるほどに幾重にも重なっていくものだから…………。

(技術も感情も)

ホオズキ親方の好きなところは「わからねえことがあるなら全部俺に聞け。お前のケツがまだ青いってことを自覚しろ」ってちゃんと弟子たちに言えるところなんだよな……あの歌すごい好き……。

元ハンターである親方、家族を皆殺しにされ憎しみに染まり生きていたが、それが嫌になりハンターを辞めた後は師匠の跡を継ぎ己も弟子を取り自分の師匠から受け継いだものを未来に託すように生きたのが、今までのTRUMPに出てくる人との違いだと思ってる。 憎しみに生きず、未来へ希望を託し、弟子を守り死んだ親方、2話からこれで泣いてしまった…………。 「任務のためせせこましい嘘をつきすぎて嘘が嫌になった。どうせ同じ嘘をつくならもっとでかい嘘がいい」って言っていた親方が、最期にリリーが「橋は完成した」って告げた時「そうか」と言って静かに息を引き取るの、優しい終わり以外の何者でもないんだよな…………。

 
・第3話『求めろ、捧げろ、待っていろ』

無駄に語呂がいい七五のリズムで喋る独特な台詞回しが印象的ななんかひとつだけすごい毛色が違う作品……なんなんだろうアレは…………。ホント何アレ……。 ちょっと前の話で「ヴァンパイアハンターになる奴なんて、大抵似たような境遇(身内をヴァンプに皆殺しにされた等)の奴等ばかりさ」って聞いたばかりなのにめちゃくちゃトンチキなハンターお出しになるんじゃないわよ…………。 雷山、何から何まで鼻につくし強烈な印象だけを残していく…………。あれが繭期の見せる幻覚だったらどれだけ良かったか…………。

『マリーゴールド』で、平和に暮らす人間たちが、TRUMPや大昔の吸血種関連の事件を題材にしたフィクションを「本当に存在するのかな?」「見たことないしわかんない」「でも面白い。もっと読みたい」ってどんどん夢中になっていくあのシーンを思い出しました。

ヴァンパイアハンターの生業が完全に女たちの娯楽と化していて彼にもっと殺してほしいしもっと自分のために戦ってほしいがために己を傷つけクランをわざと開放して繭期のヴァンプ解き放つの、やばい以外の何者でもない…………。本末転倒だよ……。

でもアレ、どちらかと言えば「もうやめたい」って言いながらやめないどころか「もっと俺に血を捧げろ」って悦ってる雷山の方がやばいんだよな…………(雷山の方が女を煽るまである)(どれだけ魔性なんだあのやば男)

アレはアレでひとつの幸せな世界なんだろうなと思うが絶対に関わり合いになりたくないですね…………。

ところで物語を終える時、本を「バタン」と勢いよく閉じ暗転する演出、好き。

 
・第4話『少女を映す鏡』

この話好きすぎて毎回泣いている。 鏡に閉じ込められた永遠の少女とあまりにも短い人生を歩まなければならない老女の身体を持った繭期の少女の話。

この辺でようやくリリーの中での時間の尺度が常人のそれとは違うと気づき始めました。 橋が壊れれば完成するまで待つ。雨に降られれば止むまで待つ。永遠だからこそひたすら待てる少女、リリー……。

だからと言って突然他人に眠らされ鏡に3年閉じ込められて別人を演じさせられても正気を保てるのは正直言ってすごい。 シュカだって1年で飽きるよ。

繭期の終わりは18歳頃なんだな…………。

(ラファエロたち、ソフィがくるのが事件が起きるのがもう少し遅ければあの地獄に堕ちず越繭できたのかという事実に震えた)

リリーの姿を「これが本当の私の姿」として映したアイダ、初見時は「狂ったやばいやつ」としか見えなかったが、物語が進むと、「恋をしてみたい」っていうささやかな願いをもつ一人の少女にしか見えなくなるので本当につらい…………。

彼女を映す「私」となってアイダと向き合い続けたリリー、アイダに恋した繭期の少年が現れてからは逆にリリーの方が「どうして怖がるの『私』! 私はあなたであなたは私なんでしょう?」って怖がるアイダを励ますように語りかけるようになるのがとても印象的だった。

繭期の少年がアイダの本当の姿を見ても「やっぱり君は綺麗な人だったんだね」って優しく呟くのがあまりにも優しくて泣いた…………。 彼は本当にアイダのことが好きだったんだな…………。間に合ってくれればどれだけ良かったか…………。

ところでさっきまでやばい女マルグリットを演じられた方がこんな心の綺麗な少女になるの冷静に考えるとすごい(役者の方ってすごい)

 
・第5話『馬車の日』

始まり方がホラーテイストなお話で怖くなかったかと言えば嘘になる。

何年も何年も同じ日々を繰り返す親子、狂気の沙汰だし、どちらもあの日に囚われていたんだな…………。 詳細は異なるが月の翳りのディエゴやラファエロを思い出してしまった…………。

子への愛情表現が不器用な親が多くないか??

「ヘーゼルなんていない」というイニシアチブを与えられたメープルが、アレからずっといなくなったヘーゼルを探し続けているの、毒親から逃げたい一心でそう命じたヘーゼルが失って初めて気付く親の愛というか、初めて自覚した罪というか、なんとも言えない気持ちになる。

大人になってしまった己はもうヘーゼルじゃないから、彼女のために新しいヘーゼルを用意しなくてはならない。その思考に至るヘーゼルが、母親から逃げたかったのに結局母親に囚われ続けているこの矛盾……。

「ヘーゼルに会いたいわ。何だかもう何年もずっと会っていないような気がするの」ってセリフ、夢を見続けていたけど、うっすらと気づいていたのかな……というのがうかがえてつらい……。

「クランにはきっとたくさん友達がいる」

その言葉で我にかえるリリー、あまりにも切ない…………。

馬車の日の歌、どれもカッコよくて好き………歌がうまい…………。

 
・最終話『枯れゆくウル』

ウルとソフィに物語皆勤賞をさせたいのかという勢いで出てくるウルとソフィ。 薬の命名の由来は最悪だけど、ウルのおかげでシュカはリリーを見守ることができた。まさに希望だった。

リリー、実験と称してヴラド機関に酷いことされすぎてて泣いた…………それがニコから受け継いだ意思なのか…………違うだろ…………たまたま見つけた死なないモルモットじゃん…………。 同僚たちを殺してまでリリーを逃したシュカ、数十年の責苦に遭っても心を失わなかった彼女がどんな旅路を歩むのか見守るためにウルを摂取したシュカ……どこまでもただの人で好き…………。

というかウル、大人が摂取すると大概は適合せず毒となり死に、子供でも特定で適合する者としない者がいるの初耳なんだが。

(ここでLILIUMの最悪度を上げるな)

シュカがリリーの旅路をただ見守るように、リリーがシュカの最期を看取ってくれてよかった。 彼のことを優しい雨のようだと言ったリリーの言葉が好きだ。

いずれくる終わりを受け入れる人々、それと向き合い見つめ続けるリリー。願わくば、彼女の旅路が穏やかなものであるように。

(ソフィがああなってしまったのが一体いつからなのかがわからないがリリーにはああなってほしくないな…………あの生き方は苦しすぎて悲しすぎる…………)畳む

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2021/10/26 はじめての繭期2021第六夜:『COCOON 星ひとつ』

夜が短い(寝落ちるので)

 
どうしてこんなことするんですか…………。

あとイスビトって何……手配が可能なイスビトはデリコ家のなんなんですか…………専属なんですか外注なんですか時給いくらなんですか…………(困惑)

 

以下つらつらと感想です。

 

ダリちゃんさあ……!!(昨日(※繭月)ぶり3回目)

 
ダリちゃん……「自慢の愚息たちです」って息子たちの目の前で一言でも同じ言葉を言ってあげたらラファエロはあんなことにはならなかったと思うよ…………ダリちゃん…………もしかしてフリーダ様に言われた「いずれあなたの後を継ぐラファエロの手本となるよう、せめて息子の前では厳格な父親であってください」を忠実に守っていたとでもいうの…………それともただ愛情を素直に伝えられない照れ屋さんだったの…………あんまりだ…………。

(でもイスビトは息子に見せるんだね…………高貴なる者は皆イスビトを雇うのか…………? なにあれ……)

そういえばダリちゃん、ヴラド機関に所属になっていたね…………TRUMPが誰か、ソフィが何者か、全部わかった状態で動き出していたのか…………。

(そういえばグスタフとミケランジェロも繭月ではTRUMPが誰か知らなそうだったので繭星になる3年の間に二人ともヴラド機関所属になったの…………?)

ソフィがあのクランへ送られた理由ですらダミアンコピーのグランギニョルだったの…………。怖いよ……グランギニョルの再演はもういらないよ……。

ウルに「近頃ダンピールとつるんでいるそうじゃないか」って言うダリちゃん、本心は災いの元になりかねないソフィから少しでも遠ざけたかった親心なんだろうけどウルのことダンピールと知りながらダンピールの悪口を言うから全部裏目に出るの本当に最悪…………。いや半分は本心なのかもしれないけどそれにしても息子に対してその言葉はあかん……。 あとウルへのダンピールバレが己が告げたのではなく使用人たちの噂話でバレるのも本当……大事なことは本人に直接口にして告げてあげて……愛してることも……実はダンピールだよってことも…………。

 

序盤で忙しい人の為のグランギニョルをやってOPで忙しい人の為のTRUMPをやられて何で最初から死ななくてはならないのでしょう……。

ダリからウルへの「負けるな」で始まり、ダリからウルへの「お前は負けなかった」で終わるこの話はウルがこの世に生きた証の物語なんだな……。

 

総評は「ダリちゃん子育てヘッタクソすぎる」ではあるのだが、最後の最後に、ソフィとウルがたしかに友達であったこと、ソフィがウルのことを最後まで守ったこと、ウルは星に手が届いたこと、ウルは希望であること、全部肯定してウルを抱きしめてくれたところはよかった……。特級貴族だからいの一番に避難させられるだろうにずっと建物内からウルが戻ってくるの待ってたんだね…………。 もう……やっとだよ……最愛の息子たちを抱きしめるのが遅い……。ラファエロなんてもう灰になってしまったよ…………。 グランギニョルから全てを見届けて全てを知っていたダリ・デリコだからこそ何が起きたかを正しく判断しウルの生き様を肯定できるんだな…………。彼の人生を見届けてくれてありがとう…………。

TRUMP、SPECTER、グランギニョル、月の翳りを履修したみんなはもう一度別視点からTRUMPおさらいしてみよっか! みたいなノリな星ひとつ、しんどい以外の何者でもなかったです(何から何までしんどいじゃん…………)

 
ウルの独白、改めて、ダンピールは繭期を越えられない者が多いということを突きつけられてしんどかった。ウルが永遠に生きることを「永遠の繭期」と表現するのは越繭した己の姿の想像ができない(死んでしまうので)からでてくる言葉なんだな……。

ウル、人懐っこい性格だから特級貴族以外の要因でも他のクランの仲間のみんなから慕われてるだろうことがうかがえるが純度100%で「僕は生まれ変わったら君になりたい」ってみんなが羨望の眼差しで告げてくるの残酷以外の何者でもない……。

「ソフィは僕の希望」っていうところの狂気が入り混じった表情、こわかったしあまりにも悲しくて泣いた…………。

 
臥萬里、SPECTERを経ると見方が本当に変わるのであまりに切ない…………。

「世話の焼けるクソガキだ」って助けてくれたり、死に際に「ソフィ、お前は生きろ」って庇ってくれたり本当に臥萬里という名前を持つ人間は誰かを護って死ぬ男…………。

(ソフィとウルがわちゃわちゃしてる間ずっと側で臥萬里が死に続けている様を見せられるのがあまりにもしんどい…………予兆もなく準備も覚悟も出来ず死んだ男臥萬里…………)

ソフィ、今まであんなに友達じゃないって必死に否定して振り払っていたのに、ウルがしんどそうにしてたり傷つけられたりしてるとすぐさま駆け寄ってくるし突き放しても「ごめんね」って言いにいけるしクランフェスタの時も「もし次勝ち上がったら決勝で戦うのは君と僕(=決勝であおうぜ)」って声かけにくるし君もう十分ウルのこと大好きだよ…………。

最後の最後にウルに刃を向けられて初めて「僕と君は友達だ」って言葉にするところ、改めてしんどいな……君たちはずっと友達だったよ…………。

 
不死になりたてはまだ痛覚が残ってるよって噂を聞いた私は今焼ける炎の中炎が収まるまでずっとウルのこと抱きしめるように覆い被さってたソフィに思いを馳せております…………。畳む

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2021/10/25 はじめての繭期2021第五夜:『COCOON 月の翳り』

8夜連続はキツいよ……(正直な感想)

 
高貴なるものは流れる血も花びらのように美しいんですね…………。

ということでつらつらと感想です。

 
ドナテルロ〜……(怒)ドナテルロのドは怒りのド。

世の中には『繭期愛好家』なるものが存在してるんですね…………薬を使ってまで繭期に戻りたいの………………変態繭期おじさんビジュアルが最高なだけにその他全てが最悪でしたね。

繭期に魅入られること自体はどうぞご勝手になのだが医者の立場でありながらバッドトリップ違法ドラッグを抑制剤と偽りクランにばら撒くな…………。やめろ…………。 (白を基調とした衣装といい薬の時間の演出といい涅槃像といいちょいちょいLILIUMと演出被せてくるのなんですか………ここがドナテルロおじさんの秘密の花園だとでも言うんですか………(最悪すぎる))

 
グスタフの繭期が理想だったドナテルロ、ツテやらコネやらを使いまくり同じ職場に教師として配属されるよう手配したのもはやストーカーレベルで既に引いているのだが、もはやグスタフの繭期は終わりもうあの繭期には戻らないことをまざまざと見せつけられて発狂するあたり、こうデジャビュに襲われるといいますか。もはや手に入れられないものであるが故に永遠に過去に囚われた人…………TRUMP………。

(1ミリも姿を表さないのに共有幻想でみんなが死にそうなアレンを助けようともがいてるのあまりにもしんどいでしょ…………100年心を占めているのがあの日助けられなかったアレンなんだね…………)(マリーゴールドでここ2800年くらいはTRUMPめっちゃ安定してる!って言われてるの聞いて「このやろう^^」ってなるまでがワンセット)

やるだけやってやり逃げされたの本当お前このやろう……。 「あの素晴らしい繭期をもう一度」じゃねえんだわ……。

ところで中の人ゴーカイのバスコ(つまりは羽風の中の人)の方だったんだね……。気づかなかった。

 
ミケランジェロとグスタフとドナテルロがクラン同期だったの意外というかあの眼帯ものもらいじゃなかったんだね……ごめんね…………厨二病とか思って…………。

ところでSPECTERの臥萬里が襲われた片目が銀色の吸血種って…………視力を失い白濁した瞳のことを指していたのだろうか……グスタフじゃないよね……グスタフじゃないと言って…………。

 
今回の何が印象的だったかといえば繭期の幻覚の可視化(陰影ちゃんたち)だと思うのだけど、私丸い空洞が密集してたくさんあるやつ本当に苦手で素直に気持ち悪いな……となった(同じ理由でドット柄があまり得意ではない)あんなのが常時見えるとか正気を保っていられる方がすごい。

あと繭期が深刻化するほどに水の中にいるような音がしてこうやって世界の認識が曖昧になっていくんだな……と。

ジュリオが感情が赤いと言っていたからラストの二人は赤い衣装を纏ってたんだなとか……いろいろ……いろいろ…………。

 
ところでエミールこと概念ウルが「この世界には希望しかないのだから」って言うの本当キャスティングなんとかなりませんか……。概念ウルはもうお腹いっぱいなんでもうこれ以上食べきれないんですよ…………勘弁して…………。

 
ラファエロとアンジェリコ、親友というか幼馴染だったんだね…………。

いや……。びっくりするほど所作がゲルハルトとそっくりだけどよりひどい…………。 ディエゴがダンピールだと分かった瞬間罵りまくるの本当に混血はただそこにあるだけで忌み嫌われてるんだなということが突きつけれてしんどいが……それにしてもナチュラルに人種差別が横行する社会本当に息苦しいな……これが絶対階級の社会……。

ゲルハルトが父の厳しい教育による精神的なストレスで子を残せない身体になった分、息子を守る為に距離を置いたのかもしれないけどあまりにも放任したから「何も期待されてない」と思ってるし愛され方がわからないけど愛して欲しい子に育っちゃった……。「僕も父のような立派な貴族になれば父上も僕を見てくれるはず」な子になっちゃった…………。 貴族の父親は愛情伝えるのが下手なのか?? それとも血が繋がってない息子との接し方がわからなかったのか??

ゲルハルトの我守護の結末丁寧に伝えないでくれよ……泣いちゃうよ……(妻も息子も家も護れなかったゲルハルト……我守護……)

なるほど血統にこだわるわけだ…………(アンジェリコ、性格はほとんどTRUMPの時と変わってないのにここまで見え方変わるんだな…………)

 
「僕には偉大なるフラ家の血が流れている!!」

 
流れてません!!(号泣)

 
ノブリスオブリージュを掲げられるのは繭期を越え貴族となり果たした大人たちだからなんだな…………。 繭期の子らにあの使命はあまりにも呪い。

逆に真実を知らずフラ家の息子として死ねて良かったのでは感がないとは言わない…………。アンジェリコがしんどい。 TRUMPでウルを殺すのはアンジェリコなんだよな…………。

というかジョルジュとモロー、この時にイニシアチブ掌握されてたのね……。

でもそれに関係なく自分たちの意思で彼に付き従うと決めたのね……。だってアンジェリコがイニシアチブで命令したのは「お前たちは何も縛られない。自由だ」だものね……。 あの時、アンジェリコが「僕は己の実力だけで血盟議会をのしあがり、お前たちが忌み嫌う階級制度などなくしてやる」という決意を話す姿、気高いんだよな……まさに高貴なるもの…………。

「屈服しろ」のジェスチャーがあまりにも三下すぎる動作なことも気にならないほどに気高い…………。

正直びっくりした。

でもTRUMPの時には結局アンジェリコが暴走してギャグ百連発からのシームレス悲劇になるんだよな……。 ラファエロに見放され泣き崩れるアンジェリコ様に駆け寄りたい気持ちを抑えつつ物陰から見守るジョルジュとモローかわいいね……。

 
ダリちゃんさあ…………(TRUMPぶり2回目)

 
「ラファエロはお兄ちゃんだから」

「ラファエロは物分かりが良くて強くて良い子だから大丈夫」

 

みたいなこと言ってるんでしょ……情景が浮かぶ…………。 フリーダ様に言われたこともスーに言われたことも守ろうとして頑張ってるのはなんかこう、よくわかるけど伝え方が下手……下手くそ…………ラファエロのこと追い詰めてんじゃん…………抱きしめてやるべきはラファエロもだよ…………。

ラファエロも普通貴族を椅子人間にできるくらい陽キャだったらよかったのにな…………。 (そんなラファエロは嫌だ)

今回の件がなくともいずれアンジェリコとラファエロは違う道を行きそうな予感はしていたけど、ドナテルロのこのやろうのせいで修復不可能なまでに友情が粉々に砕け散ったのがつらい……。夕暮れで殴り合いの喧嘩までしたのに…………。 でももともと固執していたのはアンジェリコだけなんだよな………最初から…………。 アンジェリコはずっとラファエロのこと諦めなかったね…………。 アンジェリコが最後真っ赤な血に溺れていく演出、美しかったですね…………。

 
まだ何者でもない俺たちはこの手でなんだって掴めるって言ったディエゴ、ヤク中になりそんなのは嘘だと否定したディエゴ…………どうしてこうなっちゃったかな…………(間接的に養護院にいたソフィが彼の人生の分かれ目にいるの何……急に名前出さないでよ…………)畳む

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2021/10/24 はじめての繭期2021第四夜:『マリーゴールド』

『マリーゴールド』初見時に抱いた感想が「ソフィこのやろう最悪だよ(血涙)」だったことを思い出して序盤からべそべそ泣いてしまった。

それにしてもみんなうたがうまい……。

画面越しなのに音の圧がすごかったですね。

 

ということで以下つらつらと感想。

 

人様の感想漁りの旅に出かけてたけれどもソフィがガーベラに固執したのは己と同じく吸血種からも人間種からも忌み嫌われるダンピールだからだと思ってたけど  

 

「ダリ・デリコの子供」であり「希望を意味する名前を与えられている」=「ウル」だから

 

という図式に出会ってしまいひっくり返ったところです。その発想はなかった……。

秘密の花園を守る為、作家ダリ・デリコに真相を確かめに行きがてらキャメリアをイニシアチブで縛りひとり楽しくウルと親友ごっこしてかつ偶然出会えたもう一人の概念ウルを連れ帰ろうとしてたの?

あのさ、ソフィさ……君の孤独を埋める為なら他人には何してもいいと思ってるのか? でも街をめちゃくちゃにしてまで連れ帰ろうとしたガーベラ(希望)は母と共に死に、マリーゴールド(絶望)となるの、しんどいな……。

作家ダリ・デリコことアナベルは2800年前の繭期失踪事件の真相に辿り着こうとしていた、って言ってたけどつまりソフィ不死になってから200年経つまでの間に自分の為だけのクランを作ろうと思い立ち既にさまざまなクランから繭期の少年少女攫い続けては秘密の花園に招き入れてたってこと?(こわいよ) 私は最初ダリ・デリコが担当していた繭期失踪事件の方(グランギニョル)だと思ってたけどあの感じ、違うよね…………?

 

そういえばグランギニョルのあれは非公式捜査本部だったな……。

 

どんなに歪でもたしかに愛し合ってた母娘にする仕打ちが「あなたを愛してなんかない」「あなたを産んだことは間違いだった」なのあまりにも最悪すぎる…………。

最後の最後にアナベルの愛がソフィによって呪いとなってガーベラに降り注いでいくんだな……。それで今までの母の愛が塗り潰されてしまうのあまりにも酷すぎる……。

でも最期の言葉の「きっとあなたの手を取ってくれる人が現れる。笑いかけてくれる人が現れる」「それが初めてあなたの生きる意味になる」も、ガーベラにとっては呪いとなるんだなあ……。

祝いと呪いの塩梅が絶妙すぎてここ数日ずっと精神の具合が悪い。

(でもアナベルがガーベラの手を離してまで願った望みは「ソフィにガーベラを連れて行ってもらいたい(もうすぐ死んでしまう娘を永遠の繭期へ連れて行って欲しい)」なので、ガーベラが嫌がる理由が「母アナベルがひとりぼっちになってしまうから」だとしたら、心を鬼にしてガーベラを拒絶したとも取れるのでしんどいな…………)

 

ソフィの最悪なところは、ガーベラのことは連れていきたかったから彼女の前では母親にひどいことは何もしてないところだよ。

逆に「母親にまで愛されてなかっただなんて可哀想に! でも大丈夫、僕なら君を幸せにしてあげられる」と気遣ってあげてましたね(気遣いとは)

我守護カルテット、いちばん強くてかっこいい曲なんだけど、その背景、心境の変化をガーベラは知らないから、急にエリカとコルキスが自分を助けようと命を賭けて守る姿を戸惑って見てる図が好きだよ……そうだよね急すぎるよね……。嫌いなくせに大人だから守ろうとするエリカのこと気持ち悪いって言ってた時の気持ちで手を引かれていたんだろうな……。

序盤のアナベルへの矢印の本数が多すぎて失神しそうになる(対照的にアナベルが好きなほどにガーベラを嫌いになる図よ)

 

コルキス……愛に生きて愛に死んだけど本心を知るのがヘンルーダしかいないコルキス……。

しんどいね。

 

ソフィ、ウルに「永遠なんてもらっても困っちゃうよな」って笑いかけられて顔を顰めるし街の住人たちのダンピール悪口がそのまま跳ね返ってくるし、ガーベラには自分がクラウスに言った言葉をそのままを返されて「僕だってなりたくてこんな姿になったわけじゃない」って取り乱しまくるのたのしいね。 嫌なこと言われた時の逆上の仕方がクラウスと一緒…………。しんどいな…………。 しんどい…………。

 

 

(ファルス、エンドロールでばっちり昼顔持ってましたね)

(いちばんしんどいのはマリーゴールドがLILIUMより後に発表された作品ということです)

 

 

マリーゴールド、こわいのはイニシアチブがなくともひとりの扇動で皆殺しの悲劇は起こることなんだけども、それは我々の世界でも変わらないんだよなあ…………。

ベンジャミン氏は『3歳の息子をダンピールに殺された』からダンピールを殺したいほど憎んでいるので、彼が血盟警察としてやってこなければあるいはあそこまでの悲劇にはならなかったのかなあ…………。

そういう憎しみで公の力を私怨に使って街を滅茶苦茶にしたやつ他作品にも似たようなやついたの知ってるなあ…………(ガブリエル・鏑谷…………)

でも彼が来なくてもソフィが殺したしソフィが来なくてもエリカやコルキスなどいずれ綻びはあったのだろうと思うとままならないなあ…………。畳む

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PROFILE

白米と長いあとがきが好き。